「SEOで問い合わせを増やしたい」と言われて記事を作ることになった。ところが、何から決めればよいのか、どこまでを社内でやるべきかが分からない。
SEO記事の制作は、キーワード設計・構成・執筆・編集・入稿・公開後の改善の6つの工程に分かれます。成果を左右しやすいのは、本文を書く前のキーワード設計と構成の合意、そして公開後の見直しです。
この記事では、工程ごとに決めること・担当・時間の目安を1枚の表にまとめました。外注と内製の分け方や、成果が出ないときに見直す順番も紹介します。
SEO記事とは?一般的な記事との違い

SEO記事とは、検索エンジンで調べる読者の疑問に答え、検索結果から読まれることを狙って作る記事です。「記事制作」「コンテンツ制作」と呼ばれる仕事のうち、検索からの集客を目的にしたものがSEO記事制作にあたります。
一般的な記事との違いは2つあります。1つは、書き手が伝えたいことではなく、読者が検索する言葉から書く内容を決める点です。
もう1つは、公開して終わりにせず、順位や問い合わせの数を見て直していく前提で作る点です。プレスリリースは公開した時点で役目をほぼ終えますが、SEO記事には公開後も手を入れ続けます。
BtoBのオウンドメディアでは、読まれた先に資料請求や問い合わせといった事業の目的を置きます。ただし、記事の中身は検索した読者の疑問への答えでなければ読まれません。
Googleは、検索順位を上げるためではなく、読む人の役に立つために作られたコンテンツを優先して表示する方針を示しています。
参考:有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成 | Google 検索セントラル
BtoBの記事制作で押さえたい3つの前提

BtoBの記事制作は、個人向けの記事と同じ考え方で進めると、読者や成果の測り方がずれます。工程に入る前に、読者が使う検索語、1本の記事が担う役割、商材の説明を誰が確かめるかの3つを社内で共有しておきましょう。
読者は課題の言葉で検索する
BtoBの読者は、製品カテゴリの名前を知らないまま、目の前の困りごとを検索することがよくあります。たとえば在庫管理システムを売る会社でも、読者が打ち込むのは「在庫 合わない 原因」のような言葉かもしれません。
製品名やカテゴリ名だけでキーワードを選ぶと、すでに製品を比べている読者にしか届きません。課題の言葉から記事を作れば、まだ製品を探していない読者にも読んでもらえます。
1本で問い合わせまで進むとは限らない
BtoBの購買は、担当者が情報を集め、上司や関係部署と相談してから決まります。記事を読んだその場で問い合わせる読者ばかりではありません。
そのため、記事ごとに、読み終えた読者に次に何をしてほしいかを決めておきます。たとえば課題を調べる段階の記事なら資料のダウンロード、比較する段階の記事なら相談の申し込みというように、CTAを分けます。
商材の正確さを社内で確かめる工程が要る
業界の業務や製品の仕様を扱う記事は、外部のライターだけでは正確さを確かめきれません。誤った説明が載ると、営業の現場で訂正する手間が増えます。
製品の記述を誰が確認し、確認に何日かかるかを先に決めておけば、公開の直前で止まらずに済みます。たとえば営業部門の確認に1週間かかるなら、その1週間を進行表に組み込みましょう。
SEO記事制作の6つの工程|決めること・担当・時間の目安

SEO記事の制作は、キーワード設計から公開後の改善までの6工程で進みます。工程ごとに決めること、主に担う人、時間の目安、つまずきやすい点を次の表にまとめました。
時間の目安は、Shiroworks(シロワークス)が1本の記事を作るときの実務の感覚です。テーマの専門性や確認する人の数で変わるため、自社の進行表を作るときの参考にしてください。
工程 | 決めること | 主な担当 | 時間の目安 | つまずきやすい点 |
|---|---|---|---|---|
キーワード設計 | 狙う検索語、読者、記事の目的 | 発注側のマーケ担当、SEO担当 | 6工程の中で時間がかかる | 検索数だけで選び、商材と関係の薄い記事が増える |
構成 | 見出しごとの内容、CTAの位置と文言 | 編集者・ディレクターが作り、発注側と合意 | 長くても2時間ほど | 合意しないまま本文に進み、書き直しになる |
執筆 | 本文、表や具体例、出典 | ライター | AIを使っても3〜4時間 | 一般論で字数を埋め、自社ならではの情報が入らない |
編集・品質確認 | 事実、表現、検索意図への答え方 | 編集者、発注側の確認担当 | 確認と修正のやり取りの回数で変わる | 確認する人が多く、指摘がまとまらない |
入稿 | 画像、内部リンク、表示の確認、公開の判断 | 制作側または発注側 | CMSの仕様と画像の数で変わる | 公開ボタンを押す人が決まっていない |
公開後の改善 | 見る指標、見直す時期、リライトの候補 | 発注側、SEO担当 | 月次の見直しに組み込む | 公開直後の順位だけを見て判断する |

キーワード設計
キーワード設計は、どの検索語で、どんな読者に、何を伝えるかを決める工程です。Shiroworks(シロワークス)の実務でも、企画にあたるこの工程にいちばん時間がかかっています。
何を書くかがずれたまま構成や執筆に進むと、後の工程を丁寧に進めても、読まれない記事になりかねません。検索数に加えて、商材とのつながりと、読者がどの検討段階にいるかを見て優先順位を決めます。
なお、顧客の課題から検索語を選ぶ手順を知りたい場合は、以下の記事が参考になります。
▼あわせて読みたい
BtoBのSEOキーワード選定|顧客の課題から決める5ステップ
構成
構成は、記事の見出しと、各見出しで書く内容を決める工程です。作業自体は長くても2時間ほどですが、ここで発注側と内容を合意するかどうかで、その後の手戻りが変わります。
Shiroworks(シロワークス)では、本文を書く前に構成を先方とすり合わせます。このとき決めるのは、見出しごとに書く内容と、CTAの位置、CTAの文言・文章です。
CTAを決めないまま本文を書くと、納品後に「この章の終わりで資料請求に誘導したい」といった指摘が入り、前後の文章ごと直すことになります。構成の段階では、たとえば次のような項目で合意します。
構成で合意すること | 記入例(仮の例) |
|---|---|
記事の読者 | 在庫管理システムの導入を考え始めた卸売業の物流担当者 |
見出しと書く内容 | 「在庫が合わない3つの原因」の章で、棚卸の頻度、入出庫の記録漏れ、拠点間の移動の記録を扱う |
CTAの位置 | 原因の章の終わりと、まとめ |
CTAの文言 | 在庫管理の課題を整理する資料をダウンロード |
執筆
執筆は、合意した構成に沿って本文を書く工程です。今はAIで下書きや調べものを効率化できますが、それでも1本に3〜4時間はかかります。
AIの下書きは、そのまま公開できる状態ではありません。事実や出典を確かめ、自社ならではの情報を足すのは人の役目です。
ライターに製品資料、公開できる事例、表記ルールを渡しておくと、一般論で字数を埋めた原稿になりにくくなります。
編集・品質確認
編集は、書いた人とは別の人が、事実の誤り、表現、検索意図への答え方を見直す工程です。クライアントワークでは、先方の確認と修正のやり取りにも時間がかかります。
Shiroworks(シロワークス)では、先方から受けたコメントをもとにAIで修正を進められるようになり、この工程の手間は以前より減りました。発注側は、確認する人と、指摘をまとめる窓口を決めておくと、やり取りが短く済みます。
なお、納品された原稿をどの観点で確認すればよいか知りたい場合は、以下の記事が参考になります。
▼あわせて読みたい
外注したSEO記事の品質チェック|発注・構成・納品で確認すること
入稿
入稿は、原稿をCMSに入れ、画像や表、内部リンクを整えて公開できる状態にする工程です。公開前の画面を誰が確認し、誰が公開を判断するかもここで決めます。
関連する記事どうしを内部リンクでつなぐと、読者が次に読む記事へ進みやすくなります。たとえば費用の記事の次に依頼先の選び方の記事を読んでもらう、というように、読者が読む順番を想定してつなぎ先を選びましょう。
なお、記事どうしの導線を整理してから内部リンクを置きたい場合は、以下の記事が参考になります。
▼あわせて読みたい
内部リンクの設計方法|BtoB記事の導線を整理する4ステップ
公開後の改善
公開後は、検索順位、検索からの流入、問い合わせの数を見て、記事を直すかどうかを判断します。この工程で決めるのは、どの指標を、いつ見直すかです。
月に1回など見直す時期を決めておかないと、公開した記事が増えるだけで手が入らなくなります。見直す順番は、後の章「公開した記事が成果につながらないときに見直す4つの順番」にまとめました。
なお、直す記事の優先順位の付け方を知りたい場合は、以下の記事が参考になります。
▼あわせて読みたい
リライトする記事の選び方は?優先順位の考え方と改善策を解説
記事制作を外注するか内製するかの判断

6つの工程は、すべてを社内で行う必要も、すべてを外に出す必要もありません。工程ごとに、社内にしかない情報が要るのか、専門の経験や作業時間が要るのかで分けて考えます。
工程 | 社内に残したい理由 | 外に出しやすい理由 |
|---|---|---|
キーワード設計 | 商材と顧客の課題を知っているのは社内 | 検索数や競合の調査はSEOの経験者が慣れている |
構成 | 記事の目的とCTAを決めるのは発注側 | 見出しの設計は編集者が慣れている |
執筆 | 事例や製品の詳しい説明は社内にある | 1本に数時間かかり、外に出すと社内の工数が空く |
編集・品質確認 | 製品の記述の正誤は社内でしか判断できない | 表現や構成の見直しは編集者が担える |
入稿 | 公開の判断は社内が行う | CMSへの入力や画像の配置は作業として切り出せる |
公開後の改善 | 問い合わせの中身は社内にしか見えない | 順位や流入の分析とリライトの提案は外に任せられる |
どの工程を外に出しても、記事の目的、製品の記述の確認、公開の判断は社内の仕事です。そのうえで、書く人と時間が社内にあれば内製、足りなければ外注を考え、外注するなら頼む前に工程と担当を決めます。
内製で進めやすいケース
社内に書ける人がいて、月に必要な本数を書く時間を確保できるなら、内製で進められます。製品に詳しい人が書くため、事例や現場の言葉を入れやすい点が内製の強みです。
一方で、キーワード設計や構成の型がないまま始めると、書く人ごとに記事の質がばらつきます。たとえば月2本を2人で書くなら、構成の型と確認の手順だけは先に決めておきましょう。
なお、社内の体制でSEOを進める手順を知りたい場合は、以下の記事が参考になります。
▼あわせて読みたい
インハウスSEOの進め方|内製と外注の分担をBtoB企業向けに整理
外注を検討したいケース
月に必要な本数に社内の手が足りないとき、SEOや編集の経験者が社内にいないときは、外注を検討します。依頼先にはライター個人、記事制作会社、SEOの支援会社などがあり、それぞれ担える工程が違います。
依頼先を比べる前に決めておきたいのが、自社が外に出したい工程です。そのうえで、その工程を担える相手かどうかで比べると、選ぶ基準がぶれません。
なお、記事制作の依頼先の種類と比べ方を知りたい場合は、以下の記事が参考になります。
▼あわせて読みたい
記事制作代行の選び方|BtoB企業が依頼先を比べる基準と種類
外注するときに先に決めること
外注する場合も、記事の目的、読者、社内で担う作業、確認担当者は発注側が決めておきます。これが決まっていないと、外注先は見積もりも構成も作れません。
たとえば「構成と執筆は外注、キーワードは社内で候補を出し、製品の記述は営業部門が確認する」のように、工程と担当を1行で書ける状態にしてから相談すると、話が早く進みます。
なお、発注前の準備から納品までの手順を確かめたい場合は、以下の記事が参考になります。
▼あわせて読みたい
記事制作を外注する流れ|発注前の準備から納品・公開までの進め方
公開した記事が成果につながらないときに見直す4つの順番

記事を公開しても問い合わせが増えないと、すぐに記事を書き直したくなるものです。Shiroworks(シロワークス)の実務では、公開からの期間、順位の状態、記事の本数、流入と問い合わせの関係の順に確かめています。

公開からの期間
最初に、公開からの期間が短すぎないかを確かめます。SEO記事は、順位がつくまでに数か月から半年ほどかかることが多いためです。
Googleも、変更が検索結果に反映されるまでに数時間から数か月かかるとし、数週間待ってから効果を確かめるよう案内しています。公開から1〜2か月で成果がないと判断するのは、まだ早い段階です。
参考:検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド | Google 検索セントラル
順位の状態
期間が経っていれば、次に順位の状態を見ます。順位が日によって上下しているのか、ある順位で安定しているのか、圏外なのかで、次に確かめることが違うからです。
Search Consoleで、記事ごとに狙ったキーワードの掲載順位の推移を見ると、どの状態かが分かります。上下している、または圏外が続くなら記事の本数を、安定して順位がついているならリライトや問い合わせへの導線を確かめます。
記事の本数
立ち上げたばかりのメディアで順位がつかない、ついても安定しないのは、どうしても避けられないことです。この段階では1本ごとの順位はあまり見ずに、記事の本数を積み上げることを優先します。
検索流入やPVの推移は見てかまいません。記事が30本、50本と増えた時点で、まだ上がっていないキーワードがあるかを改めて確認します。
そのとき20位以内や30〜50位にいて、改善の余地がありそうなキーワードの記事をリライトの候補にします。たとえば18位の記事なら、検索意図に答えきれていない見出しを足したり、古い情報を新しくしたりします(順位は仮の例)。
流入があるのに問い合わせがない記事
順位がつき、検索からの流入もあるのに問い合わせがない記事は、CVの改善を目的にリライトします。見直すのは、読者を次の行動に進めるCTAの位置と文言が、記事の内容や読者の検討段階に合っているかです。
たとえば費用を調べに来た読者に「お問い合わせ」のボタンだけを置いている記事なら、見積もりの比べ方をまとめた資料の案内に変える、という直し方があります。
なお、問い合わせが増えない原因を順に確かめたい場合は、以下の記事が参考になります。
▼あわせて読みたい
オウンドメディアの問い合わせが増えない原因は?5つの確認ポイント
SEO記事制作でよくある3つの質問

SEO記事の制作を始める担当者から出やすい、文字数、AIの利用、費用の3つの疑問に答えます。
Q. SEO記事は何文字くらい必要ですか?
決まった文字数はありません。Googleも、検索で優先する文字数は存在しないと明記しています。
必要な長さは、読者の疑問に答えるのに必要な量で決まります。構成の段階で見出しごとに書く内容を決め、その内容を書ききった長さを目安にしてください。
参考:有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成 | Google 検索セントラル
Q. AIで書いた記事はSEOで不利になりますか?
問われるのは、AIを使ったかどうかより、記事を作る目的と中身です。Googleは、検索順位を操作する目的でAIなどの自動化を使って記事を作る行為を、スパムに関するポリシーへの違反としています。
AIで下書きを作る場合も、事実と出典の確認、自社ならではの情報を足す作業は人が行いましょう。Shiroworks(シロワークス)も執筆にAIを使っていますが、それでも1本に3〜4時間かかります。
参考:有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成 | Google 検索セントラル
Q. 記事制作を外注すると費用はどのくらいかかりますか?
各社が公開している目安では、依頼先と含まれる工程によって、1本数千円から10万円ほどまで幅があります(2026年10月2日時点)。執筆だけを頼むか、構成や編集、入稿まで含めるかで金額は大きく変わります。
見積もりを比べるときは、1本あたりの金額に加えて、どの工程が含まれ、どの作業が社内に残るかを確かめてください。
なお、依頼先別・工程別の相場と見積もりの比べ方を知りたい場合は、以下の記事が参考になります。
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記事制作の料金相場と比べ方|SEO記事の見積もりで確認する工程と範囲
まとめ|工程ごとの担当を決めてから書き始めよう

SEO記事の制作は、キーワード設計、構成、執筆、編集・品質確認、入稿、公開後の改善の6工程に分かれます。時間がかかるのはキーワード設計と執筆で、構成の段階で見出しの内容とCTAの位置・文言を合意しておくと、後の手戻りが減ります。
公開後に成果が見えないときに確かめる順番は、期間、順位の状態、記事の本数、流入と問い合わせの関係です。まずはこの記事の工程表に、社内で担う人と外に任せる工程を書き込むところから始めてみてください。



