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記事監修の進め方|BtoB記事の依頼の流れと監修者に確認してもらう範囲

公開:更新:執筆:しろ
記事監修の進め方|BtoB記事の依頼の流れと監修者に確認してもらう範囲

専門性の高いテーマの記事を任され、上司から「専門家に監修してもらって」と言われた。誰に、何を、どの段階で見てもらえばよいのか分からないまま原稿を送ったら、修正だらけで戻ってきた。

記事の監修を初めて進めるときには、こうした迷いがよく起こります。

監修は、専門家に記事の内容が正しいかを確認してもらう工程です。確認してもらう範囲を先に決め、構成と初稿の2回に分けて見てもらうと、大きな手戻りを減らせます。

この記事では、監修を入れるかどうかの判断基準、監修者に確認してもらう範囲、依頼の流れと依頼文の記入例を紹介します。各社が公開している監修費の目安もあわせて確認していきましょう。

記事監修とは|取材・校閲との違い

赤ペンで書き込みが入った印刷原稿と、付箋を貼った専門書が並ぶ机

記事監修とは、その分野の専門家が記事の内容を確認し、誤りや古い情報を指摘する工程です。監修者として名前やプロフィールを記事に載せ、確認した人を読者に示すのが一般的です。

専門家が記事に関わる方法には、監修のほかに取材があります。

また、編集の工程にある校閲も「内容を確認する」作業なので、監修と混同されがちです。3つの違いを表にまとめました。

項目

監修

取材

校閲

担う人

社外の専門家、社内の有識者

話を聞く相手(専門家、社員、顧客)

編集者、校閲者

関わる時期

構成と原稿ができた後

執筆の前

原稿ができた後

主にすること

専門的な内容が正しいかを確かめる

記事に使う一次情報を集める

事実関係、数字、表記の誤りを確かめる

記事への名前の掲載

監修者として載せることが多い

載せる場合と載せない場合がある

通常は載せない

取材は記事の材料を集める工程で、監修はできた記事の中身を確かめる工程です。校閲は出典と照らして誤りを探しますが、専門家としての判断までは担いません。

たとえば「この法律の解釈は実務でも通用するか」という問いには、校閲では答えられず、専門家である監修者の確認が要ります。

記事に監修を入れるかどうかの判断基準3つ

社内の打ち合わせスペースで、マーケティング担当者が技術部門の社員に資料を見せて相談している様子

すべての記事に監修が必要なわけではありません。監修を入れるかどうかは、次の3つで判断します。

1つ目はテーマの専門性が高く誤りが読者の判断に響くか、2つ目は確認する余力と適切な監修者がいるかです。3つ目として、検索評価と監修の関係を正しく押さえておきましょう。

専門性が高く、誤りが読者の判断に響くか

法令、税務、医療・健康、製品の技術仕様のように、誤りがあると読者の判断を誤らせるテーマは、監修を入れる候補です。実務では、専門性が高く、確認の余力もある記事なら、基本的には監修を入れると判断しています。

BtoB記事では、制度の改正や業界の慣習など、Webで調べた情報だけでは正しいか判断しにくい内容がよく出てきます。たとえば「労務管理システムの選び方」の記事でも、法令の説明が入るなら監修の候補に入れましょう。

テーマの例(仮の例)

監修の要否の目安

考えられる監修者

労務・健康管理の制度を説明する記事

入れたい

社会保険労務士、産業医

自社製品の技術的な仕組みを説明する記事

入れたい

社内の開発・技術担当者

業界の商習慣や業務の流れを説明する記事

余力があれば入れる

社内の営業担当者、業界経験者

マーケティング手法の一般的な解説記事

入れなくてもよい

必要なら社内の担当者

確認する余力と適切な監修者がいるか

監修を入れると決めても、確認する余力がない場合や、適切な監修者が見つからない場合は入れません。名前だけを借りて中身を確認しない監修は、読者に対して不誠実になるためです。

外部の専門家を探す余力がなければ、社内の有識者に記事を読んでもらい、一言コメントをもらう形でも構いません。見出しごとに「ここはこの観点で判断するとよい」という監修コメントを添える方法もあります。

検索評価と監修の関係を正しく押さえる

監修を検討するとき、「監修を入れれば検索順位が上がる」という説明を見かけることがあるでしょう。Googleの公式ドキュメントでは、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)そのものは直接のランキング要因ではないと説明しています。

一方で、同じドキュメントは、健康や経済的な安定などに大きく影響するテーマでE-E-A-Tが優れたコンテンツを特に重視するとしています。著者が誰かを明確にし、必要な記事には正確な著者情報を載せることも勧めています。

参考:有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成 | Google 検索セントラル

いまのSEOは、内容の正確さ、読みやすさ、誰が書いて誰が確認したかを含めた総合力で評価されると考えています。実務の感覚としても、見出しごとの監修コメントを入れた記事は上位に上がりやすいと感じています。

ただし、監修を入れれば順位が上がると言い切れるものではありません。

なお、監修を含めて記事制作の工程全体を見渡したい場合は、以下の記事が参考になります。

▼あわせて読みたい
BtoBのSEO記事制作ガイド|企画・構成・執筆・編集・公開後の改善まで

監修者に確認してもらう範囲

付箋を貼った記事の構成シートと、ペンと付箋の束が置かれた机

監修者に「全体を見てください」とだけ頼むと、専門外の文体や見出しの付け方まで指摘が広がり、反映に時間がかかります。依頼する前に、監修者に見てもらう範囲と、編集側で担う範囲を分けておきましょう。

構成段階では記事の方向と見出しの中身を、初稿段階では本文の専門的な記述を見てもらいます。SEOの観点や文章の整え方は、監修者には頼みません。

確認する項目

監修者に頼む

編集・社内で担う

記事の結論と見出しの方向

構成段階で確認してもらう

構成案を作る

専門用語の定義と使い方

初稿段階で確認してもらう

用語の表記をそろえる

法令・制度・数値の正しさ

初稿段階で確認してもらう

出典を集め、原稿に記載する

実務で通用するかの判断

初稿段階で確認してもらう

監修者の指摘を本文に反映する

検索キーワードと見出しの付け方

頼まない

構成段階で決める

文章の読みやすさと表記ルール

頼まない

編集・校正で整える

構成段階で確認してもらうこと

構成段階では、記事の結論と見出しの内容に、専門家から見たずれがないかを確認してもらいます。実務では、構成で一度見てもらい、初稿でもう一度見てもらう2段階の進め方をとっています。

構成の段階でずれを直しておけば、初稿の段階で大きなずれはほぼ出ません。たとえば、見出しに「〇〇は義務です」と書いた箇所が実際には努力義務だった場合、構成の段階なら見出し1つを直すだけで済みます。

なお、監修者に見せる前の構成案そのものを作りたい場合は、以下の記事が参考になります。

▼あわせて読みたい
SEO記事構成の作り方|BtoB企業が執筆前に合意したい確認項目

初稿段階で確認してもらうこと

初稿段階では、本文の専門的な記述を確認してもらいます。専門用語の使い方、法令や制度の説明、数値とその出典、実務で通用するかどうかが中心です。

監修者の負担を減らすには、とくに見てほしい箇所に印やコメントを付けて渡します。原稿の頭から全部読んでもらうより、確認の観点がはっきりして戻りも早くなります。

監修者に頼まないこと

検索キーワードの選び方、見出しの付け方、文章の読みやすさ、表記ルールは、監修者には頼みません。これらは編集側の仕事で、監修者に判断を求めると、専門外の作業で時間をもらうことになります。

監修者の指摘を本文に反映するのも編集側です。指摘をそのまま貼り付けると前後の文とつながらないことがあるため、意味を変えずに本文の流れに合わせて書き直します。

なお、監修者の指摘を反映した後の本文の見直し方を知りたい場合は、以下の記事が参考になります。

▼あわせて読みたい
BtoBのSEO記事の書き方|検索意図から相談につなげる執筆の手順

記事監修を依頼する流れ5ステップ

ノートパソコンの前でヘッドセットを付け、オンラインで打ち合わせをする日本人のビジネスパーソン

記事監修は、監修者を決める、依頼文で条件を伝える、構成を見てもらう、初稿を見てもらう、指摘を反映して監修者情報を掲載する、の5ステップで進めます。

構成と初稿の2回に分けて見てもらうのが、この流れの中心です。

記事監修を依頼する5ステップの図。監修者を決める、依頼文を送る、構成を確認、初稿を確認、反映と掲載の5つを左から順に矢印でつないでいる

監修者を決める

監修者は、社内の有識者、外部の専門家、記事監修のマッチングサービスの3つから探します。BtoB記事なら、まず自社製品の技術担当者や法務担当者など、社内で確認できる人がいないかを確かめましょう。

法令や資格に関わる内容を外部の名前で保証したい場合は、士業などの外部の専門家に依頼します。外部に頼むときは、資格と経歴、記事に載せられるプロフィールの範囲を事前に確認しておきましょう。

依頼文で条件を伝える

依頼文では、記事の目的と読者、確認してほしい範囲、確認の回数と期限、謝礼、監修者情報の掲載方法を伝えます。条件が曖昧なまま始めると、確認の範囲や回数をあとから相談し直すことになります。

以下は依頼文の記入例です。記事の内容、期限、金額は説明のための仮の例です。

項目

記入例(仮の例)

記事の目的と読者

中堅企業の人事担当者が、健康管理の制度対応を確認するための記事

確認してほしい範囲

法令・制度の説明と用語の使い方。文章表現とSEOの観点は対象外

確認の回数

構成で1回、初稿で1回の計2回

期限

構成は受け取りから5営業日、初稿は7営業日

謝礼

1記事3万円(税込)、2回の確認を含む

監修者情報の掲載

氏名、資格、所属、顔写真、経歴を100字程度。掲載前に確認していただく

公開後の扱い

リライトで内容が変わる場合は、再確認を別途ご相談する

構成を見てもらう

構成案を送り、記事の結論と見出しの内容にずれがないかを確認してもらいます。見出しの下に、各見出しで書く要点を1〜2行ずつ添えておくと、監修者が中身を判断しやすくなります。

この段階の指摘は、見出しの差し替えや追加として反映しましょう。

初稿を見てもらう

構成への指摘を反映して書いた初稿を送り、本文の専門的な記述を確認してもらいます。確認依頼には、とくに見てほしい箇所と、その理由を書き添えましょう。

以下は、初稿に添える確認依頼の記入例です。見出し名や確認の観点は説明のための仮の例です。

確認してほしい箇所

確認してほしい観点

見出し「健康診断の実施義務」

対象となる従業員の範囲の説明が正しいか

「ストレスチェック」の段落

実施義務のある事業場の条件に誤りがないか

表の「保存期間」の列

現行の制度と合っているか

原稿全体

内容の誤りと、補足が必要な点。文章表現は編集側で整えるため対象外

指摘を反映し、監修者情報を掲載する

指摘を本文に反映したら、反映後の原稿を監修者に見せ、意図どおりに直っているかを確認してもらいます。監修者情報は、記事の冒頭か末尾に、氏名、資格、所属、経歴を載せるのが一般的です。

掲載する内容は、依頼の時点で監修者と合意した範囲にとどめてください。

記事監修の費用相場

白い封筒と電卓、請求書の束が置かれた机

監修費は、監修者の資格と記事の専門性で変わります。外部の専門家に1記事を依頼する場合、各社が公開している目安を2026年10月5日時点で突き合わせると、次のようになります。

監修者の種類

各社が公開している目安(1記事あたり)

医師・歯科医師

2万5,000〜5万円

弁護士・税理士・社会保険労務士などの士業

2万〜5万円

資格を問わない実務家・業界の専門家

5,000〜3万円

記事監修のマッチングサービスでは、弁護士3万円、中小企業診断士やエンジニアなど2万7,500円、社会保険労務士1万5,000円(いずれも税込)といった料金表を公開している例があります。いずれも各社の目安で公的な統計ではないため、文字数や確認の回数で金額が変わる点も見積もりで確かめてください。

社内の有識者に頼む場合、外部への支払いは発生しないことが多い一方、その人の業務時間を使います。確認の回数と1回あたりの時間を、本人と上長に事前に伝えておきましょう。

参考:記事監修とは?費用相場と依頼先の選び方を制作会社が解説 | Writers-hub

参考:監修記事の重要性や相場、依頼方法などまとめ | ドリームラボ

参考:記事監修とは?費用相場や専門家への監修依頼方法、注意点などを解説 | クラウディア

参考:記事監修の完全ガイド | STSデジタル

参考:みんなの記事監修の料金 | みんなの記事監修

なお、監修費を含めた記事制作全体の見積もりを比べたい場合は、以下の記事が参考になります。

▼あわせて読みたい
記事制作の料金相場と比べ方|SEO記事の見積もりで確認する工程と範囲

記事監修でつまずきやすい3つの場面

積み重ねた法令集と付箋だらけのファイルが置かれた机

監修を入れた記事では、法律が絡むテーマで指摘が多く出る、修正の多さに戸惑う、公開が監修待ちで止まる、の3つの場面でつまずきやすくなります。どれも、事前に想定しておけば進め方で対処できる場面です。

法律が絡むテーマで指摘が多く出る

健康経営や健康管理のように法律が絡むテーマは、Webで調べた情報だけでは正しく書ききれないことがあります。実際に、こうしたテーマの記事で監修者に見てもらったところ、「ここはこう解釈する」という指摘が多く返ってきました。

法令や制度が絡む記事は、監修に時間がかかる前提で日程を組んでおきます。たとえば通常の記事より、監修の確認期間を長めに取っておくと、公開日がずれにくくなります。

修正の多さに戸惑う

専門家は業界の知識が豊富なので、修正の指摘が多くなるのはよくあることです。実務では、修正が多いのは当然と割り切って進めています。

そのうえで、前の章で紹介したように構成と初稿の2回で見てもらうと、初稿の段階での大きな修正は減ります。残る指摘は表現の細部や補足が中心になるため、反映の手間も小さく済むのが利点です。

公開が監修待ちで止まる

監修者の確認が終わるまで公開できない進め方では、監修者の都合で公開日が延びることがあります。そこで実務でおすすめしているのが、新規記事は監修者を入れずに書いて公開し、リライトのときに監修者のコメントを追記する方法です。

公開済みの記事に監修コメントを足すだけなので、書き直しによる手戻りが起きません。新規記事は予定どおり公開し、監修は改善の段階で入れる、という分け方ができます。

なお、監修コメントを足す記事をどれから選ぶか決めたい場合は、以下の記事が参考になります。

▼あわせて読みたい
リライトする記事の選び方は?優先順位の考え方と改善策を解説

記事の監修でよくある3つの質問

開いたノートと万年筆、白い付箋が置かれた木の机

記事の監修について、担当者がよく迷う3つの疑問に答えます。

Q. 監修を入れれば検索順位は上がりますか?

監修を入れれば順位が上がる、とは言い切れません。Googleは、E-E-A-Tそのものは直接のランキング要因ではないと説明しています。

監修は、内容の正確さを高め、誰が確認したかを読者に示すための工程です。順位は、内容が検索意図に合っているかなど、記事全体の質で決まるものです。

Q. 社内の社員でも監修者になれますか?

なれます。自社製品の技術的な説明や業務の流れなら、社内の開発担当者や営業担当者のほうが、外部の専門家より正確に確認できることもあります。

記事に名前を載せる場合は、本人の了承を得たうえで、所属や担当業務など、その人が確認するのにふさわしい理由が読者に伝わる情報を添えましょう。

Q. リライトしたら再監修は必要ですか?

監修を受けた箇所の内容を変えるなら、再確認を頼みましょう。監修者の名前が載ったまま、確認していない内容が増えると、監修者にも読者にも誤解を与えます。

表現の手直しだけなら不要な場合もあるため、どこまでを再確認の対象にするかを依頼の時点で決めておくと迷いません。

まとめ|監修は範囲を決めて、構成と初稿の2回で頼む

明るいオフィスのテーブルで、ノートを広げて記事の進め方を相談する担当者と編集者

記事監修は、専門家に記事の内容が正しいかを確認してもらう工程です。取材や校閲とは役割が違い、専門性が高く誤りが読者の判断に響く記事で、確認の余力と適切な監修者がいるときに入れます。

依頼する前に、監修者に見てもらう範囲と編集側で担う範囲を分け、構成と初稿の2回で確認してもらいましょう。法律が絡むテーマは時間がかかる前提で日程を組み、新規記事の公開を止めたくなければ、リライトのときに監修コメントを足す方法も検討してみてください。

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