SEO記事の制作を外注しようと見積もりを取ったら、1本あたりの金額が数倍も違った。安いほうに決めてよいのか、高いほうは何が違うのか、社内で説明できずに止まっている。
記事制作の発注では、こうした迷いがよく起こります。
公開されている相場を見ても、1本数千円から10万円まで幅があります。
金額の差の多くは、見積もりに含まれる工程と、発注後に社内に残る作業の違いから生まれます。同じ「1本」でも、構成や編集、入稿まで含むかどうかで中身はまったく別です。
この記事では、各社が公開している料金相場を依頼先別・工程別に整理したうえで、手元の見積もりを工程ごとに横並びにして比べる方法を紹介します。依頼前に準備する情報の記入例や、契約前に書面で揃えたい条件も確認していきましょう。
記事制作の料金相場|依頼先別・工程別の目安

相場は、誰に頼むかと、どの工程まで頼むかの2つで見ると整理できます。
以下の金額は、記事制作会社などが公開している解説記事の目安を2026年10月2日時点で突き合わせたものです。公的な統計ではないため、手元の見積もりを読むときの物差しとして使ってください。
最後に、テーマの専門性で幅が広がる理由も説明します。
依頼先別の1本あたりの目安
3,000字前後のSEO記事を1本頼む場合、依頼先ごとの目安は次のとおりです。
依頼先 | 文字単価の目安 | 1本あたりの目安 | 含まれやすい工程 |
|---|---|---|---|
クラウドソーシング | 1〜5円 | 3,000〜1万円 | 執筆のみ |
フリーランスのライター | 2〜8円 | 5,000〜2万円 | 執筆、構成を含むこともある |
記事作成代行会社・編集プロダクション | 3〜10円 | 1万5,000〜3万円 | 構成、執筆、ディレクター・編集者の確認 |
SEO制作会社・代理店 | 記事単価が中心 | 2万〜10万円 | キーワード設計や構成から、執筆、編集まで |
金額が上がるほど、執筆以外の工程が含まれる傾向があります。たとえば、ライター単体への依頼とディレクターやコンサルタントが加わる依頼を分けて相場を示している会社もあり、体制の違いがそのまま金額の違いになっています。
参考:記事作成代行の相場は?種類・依頼先別の費用相場と失敗しない選び方 | ストックサン
参考:SEO記事作成の相場まとめ|文字単価・記事単価・月額契約の費用目安を徹底比較 | STSデジタル
参考:SEO記事作成代行の費用相場|文字単価・料金体系と選び方 | WHITCH
参考:SEO記事作成の外注相場は「5,000円〜10万円」|本数は100が目安。 | 検索順位の海賊
工程ごとに加わる費用の目安
執筆とは別に料金が設定されやすい工程と、その目安です。見積もりにこれらの項目が含まれているかで、総額は大きく変わります。
工程 | 各社が公開している目安 |
|---|---|
キーワード選定・企画 | 1キーワード1,000〜3,000円、企画とキーワード選定をまとめて1件1万〜5万円 |
構成 | 1本2,000〜3万円 |
校正・校閲 | 1文字1〜3円、または1本1,000〜1万円 |
専門家の監修 | 1記事2万円以上 |
取材 | 取材費1万〜3万円、文字起こしは1時間5,000〜1万5,000円 |
図解の作成 | 1点5,000〜2万円 |
ディレクション | 1本5,000〜5万円 |
入稿 | 1本1,000〜3,000円 |
たとえば文字単価3円で3,000字の執筆を頼むと、本文は9,000円です。そこに構成1万円、校正5,000円、入稿2,000円が加わると、総額は2万6,000円になります(金額は説明のための仮の例)。
「1本9,000円」と「構成から入稿まで1本2万5,000円」の見積もりは、同じ物差しでは比べられません。
参考:記事作成の相場を種類別に紹介!メリットやおすすめ記事代行サービス | QUERYY
テーマの専門性で変わる幅
同じ文字数でも、テーマが専門的になるほど単価は上がります。一般的なSEO記事の文字単価を3〜6円とし、医療や金融のように正確さが強く求められる分野では7〜15円とする目安を出している会社もあります。
業界の業務や法令を扱うBtoB記事も、調べる量の多いテーマです。製品の仕組みや業界用語を理解しないと、構成すら作れないためです。
たとえば製造業向けの生産計画システムの記事なら、ライターは「生産管理」と「生産計画」の違いを理解するところから始めることになり、その調査時間が単価に表れます。
記事制作の主な料金体系3つ

1文字いくら、1本いくら、月額いくらと計算の単位が違えば、金額を並べても比べられません。
文字単価は本文の量で、記事単価は1本の総額で、月額・まとめ契約は期間と本数で金額が決まります。体系に優劣はないので、想定する本数と文字数で総額を出し直し、条件を揃えてから比べましょう。
文字単価
本文の文字数に単価を掛けて金額を出す方式です。記事ごとに長さが違っても、量に応じて費用を計算できます。
構成やキーワード選定、編集は別料金になっていることがあります。
また、文字数が増えるほど金額が上がるため、必要以上に長い原稿にならないよう、目安の文字数は構成の段階で決めておきましょう。たとえば「5,000字以上」とだけ伝えると、読者に必要のない前置きで字数が埋まり、料金も読む手間も増えることがあります。
記事単価
1本あたりの総額で見積もる方式です。予算を立てやすい一方、総額の中に何が入っているかは見積もりごとに異なります。
「構成込み」と書かれていても、構成案を発注側と確認する打ち合わせが含まれるのか、構成を外注先が決めて執筆まで進むのかで、仕上がりは変わります。記事単価の見積もりは、次の章の工程表で中身を確かめてください。
月額・まとめ契約
一定期間の本数や作業をまとめて契約する方式です。
記事作成だけなら月10万〜30万円、マーケティングの支援まで含むと月30万〜50万円を目安に挙げる会社があります。継続して公開する計画があり、キーワード設計や公開後の分析まで任せたい場合に検討されます。
確認したいのは、月の本数を消化できなかったときの扱いと、記事以外の作業の範囲です。
たとえば「月4本+月次レポート」の契約でも、レポートが数字の一覧だけなのか、次に直す記事の提案まで含むのかで、社内に残る仕事は変わります。毎月何を受け取れるのかを、成果物の形で決めておきます。
見積もりで確認したい4つの工程

見積もりの金額差の多くは、どの工程を含むかの違いです。金額の列だけを見るのではなく、工程を行にした表に各社の対応を書き込みましょう。
企画・構成、調査・確認、執筆・編集、図表・入稿の4つで並べると、どの工程を外注先が担い、どの工程が社内に残るかが見え、総額の差を説明できるようになります。

工程 | 見積もりで確認すること | 外注先に聞く質問 | 社内に残りやすい作業 |
|---|---|---|---|
企画・構成 | キーワード選定と構成案を含むか | 構成案を本文の前に確認できますか | 記事の目的と読者の共有、構成の承認 |
調査・確認 | 取材や専門家確認の手配を含むか | 調べた資料の出典を一緒に納品できますか | 商材情報と公開できる事例の確認 |
執筆・編集 | 編集・校正を別の人が行うか | 執筆者以外が原稿を読み直しますか | 自社の表現ルールに沿うかの確認 |
図表・入稿 | 図解・画像の作成とCMS入稿を含むか | 画像の利用条件を確認していますか | 公開前の表示確認と公開判断 |
企画・キーワード選定と構成
記事の成果に最も影響するのが、どのキーワードで、どんな結論を伝えるかを決める工程です。見積もりに「構成」とあっても、キーワード選定から提案するのか、発注側が指定したキーワードで見出しを作るだけなのかを確認します。
構成案を本文の前に確認できるかも、必ず聞いておきたい点です。構成の段階で読者や結論がずれていると、本文を受け取ってから書き直すことになり、修正の手間が増えます。
なお、構成の前提となる検索語の選び方から見直したい場合は、以下の記事が参考になります。
▼あわせて読みたい
BtoBのSEOキーワード選定|顧客の課題から決める5ステップ
調査・取材・専門家確認
BtoB記事では、公開情報を調べるだけでは書けない内容が出てきます。担当者への取材や専門家による内容の確認が必要なら、その手配と実施が見積もりに入っているかを確認しましょう。
取材を含む場合は、日程調整、質問の準備、文字起こしまで誰が行うかで工数が変わります。たとえば「取材あり」とだけ書かれた見積もりでも、日程調整は発注側の担当、文字起こしは別料金という条件は珍しくありません。
調査の範囲が書かれていない見積もりは、出典の確認方法も合わせて質問しておくと、品質の差を判断しやすくなります。
執筆と編集・校正
執筆した人とは別の人が原稿を読み直す工程があるかどうかは、見積もりの差として表れやすい部分です。編集では、検索意図への答え方、論理のつながり、事実の確認、表記の統一などを見直します。
たとえば「導入費用は業界平均の半分」と書かれた原稿があれば、編集者は元の資料を確かめ、対象や時点が合っているかを見ます。編集が含まれない見積もりでは、こうした確認は社内の担当者の仕事です。
修正指示を書く時間も含めて、社内で対応できるかを考えてから比べてください。
図表・画像と入稿
比較表や手順図、アイキャッチなどの画像を作るか、CMSへの入稿まで行うかも確認します。1本あたり数千円の作業でも、本数が増えるほど社内の作業時間に響きます。
画像を外注先が用意する場合は、素材の利用条件を誰が確認するかを決めておきましょう。入稿を任せるなら、公開前の画面を誰が確認し、公開ボタンを誰が押すかも合わせて決めます。
1本の金額だけで選ぶと起きやすい3つのこと

1本あたりの金額は、比較の入口としては分かりやすい数字です。ただ、それだけで外注先を決めると、契約後に社内の修正時間、構成のずれ、追加費用という3つの負担が表に出てきます。
社内の修正時間が増える
編集や事実確認が含まれない見積もりでは、納品後に社内で直す作業が増えやすくなります。商材の説明を書き直したり、出典を確かめたりする時間は、見積書には載りません。
たとえば、A社は1本1万5,000円で執筆のみ、B社は1本2万5,000円で編集まで含むとします。A社の原稿を社内の担当者が毎回3時間かけて直しているなら、月4本で12時間です。
その時間を費用として足すと、1本あたり1万円の差はほとんど残らないかもしれません(金額と時間は説明のための仮の例)。
なお、納品された原稿をどの観点で確認すればよいか知りたい場合は、以下の記事が参考になります。
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外注したSEO記事の品質チェック|発注・構成・納品で確認すること
構成の合意がないまま本文が届く
構成の確認を挟まずに執筆まで進む契約では、読者や結論のずれに本文を読んで初めて気づくことになります。たとえば、導入を比較検討している担当者向けに頼んだのに、SEOの基礎から説明する初心者向けの原稿が届く、といったずれです。
見出しから直すことになり、修正というより書き直しに近くなります。
構成の段階で直せば、見出しと要点を差し替えるだけで済みます。料金が安くても構成確認のない進め方なら、書き直しの手間と期間も含めて比べましょう。
追加費用があとから発生する
取材、専門家確認、画像作成、入稿、修正回数の超過などが別料金だと、発注後に総額が膨らむことがあります。見積もりの段階で「含まない作業」を一覧にしてもらうと、追加費用の有無を事前に把握できます。
修正については、誤りの訂正と、発注後に方針を変えた場合の書き直しを分けて考えてください。たとえば「誤字や事実誤認の修正は無料、構成合意後の読者変更は別途見積もり」のように、どこからが追加費用になるのかを例で確認しておきます。
見積もり依頼の前に準備する3つの情報

見積もりの精度は、発注側が渡す情報の量で変わります。記事の目的と読者、本数と期間、社内で担う作業と確認担当者の3つを、複数の外注先に同じ内容で渡せば、返ってきた見積もりも比べやすくなります。
以下は、見積もり依頼に添える情報の記入例です。数字や業種は説明のための仮の例です。
項目 | 記入例(仮の例) |
|---|---|
記事の目的 | 製造業向け業務システムの比較検討者に、自社の支援範囲を知ってもらう |
読者 | 中堅メーカーの情報システム・業務改善の担当者 |
本数と期間 | 月4本、まず6か月 |
依頼したい工程 | 構成・執筆・編集。キーワードは社内で候補を用意し、選定を相談したい |
社内で担う作業 | 製品情報の確認、公開判断、入稿 |
確認担当者 | マーケティング担当1名が窓口。製品の記述は営業部門が確認 |
参考資料 | 製品資料、公開できる導入事例、表記ルール |
記事の目的と読者
「SEOで集客したい」だけでは、外注先は調査の深さや取材の要否を判断できません。誰が、どの段階で、何を判断するために読む記事なのかを1〜2文で伝えます。
目的と読者が具体的だと、外注先は必要な工程を見積もりに入れやすくなり、あとからの追加費用も減らせます。
本数と期間
本数と期間は、外注先が確保する体制や料金体系の提案を左右する情報です。月に何本を何か月続けたいのか、最初は試験的に少ない本数から始めたいのかを伝えましょう。
公開したい時期が決まっている場合は、構成確認や社内確認にかかる日数も含めて逆算します。たとえば製品の記述を営業部門が確認するのに1週間かかるなら、その日数を伝えておくと、無理のない進行表を作ってもらえます。
社内で担う作業と確認担当者
どの工程を社内で担い、誰が確認するかを先に伝えると、見積もりの範囲がはっきりします。確認担当者が複数いる場合は、意見をまとめる窓口も決めておきましょう。
社内で担う作業が多すぎると感じたら、外注する範囲そのものを見直す段階かもしれません。
なお、制作だけでなく、SEOのどの業務を外に任せるかから検討したい場合は、以下の記事が参考になります。
▼あわせて読みたい
SEOは外注すべき?費用相場・依頼できる業務・失敗しない選び方
契約前に書面で揃えたい3つの条件

見積もりの金額に納得しても、条件を口頭で済ませると、納品後に認識のずれが起きます。修正の範囲と回数、納品物と検収の方法、報酬と支払期日の3つは、発注書や契約書、メールなど、あとから確認できる形で残しておきましょう。
修正の範囲と回数
修正の回数だけでなく、どんな修正を想定しているかを書きます。誤りの訂正、合意した構成からの不足、発注後の方針変更では、必要な作業量がまったく違うためです。
たとえば「構成合意後に読者を変更する場合は、別途見積もり」のように、追加費用になる条件を例で示しておくと、双方が判断に迷いません。
納品物と検収の方法
納品するのが原稿ファイルなのか、CMSの下書きなのか、画像や出典の一覧も含むのかを決めます。あわせて、誰がいつまでに内容を確認し、どの状態になったら納品完了とするかも決めておきましょう。
確認期限が決まっていないと、修正の依頼が長く続き、次の記事の進行にも影響します。たとえば「納品から5営業日以内に修正依頼がなければ検収完了」と決めておけば、双方が次の記事に進む時期をそろえられます(日数は仮の例)。
報酬と支払期日
報酬額と支払期日は、記事単価や月額などの体系に合わせて明記します。修正や追加作業の費用をどの時点で精算するかも、ここで決めておきましょう。
なお、フリーランスに業務を委託する場合、発注事業者は業務の内容、報酬の額、支払期日などの取引条件を、書面またはメールなどの電磁的方法で直ちに明示する必要があります。2024年11月施行のフリーランス・事業者間取引適正化等法によるもので、口頭での明示は認められていません。
参考:2025年公正取引委員会フリーランス法特設サイト | 公正取引委員会
記事制作の料金でよくある3つの質問

料金の相場や外注先の選び方について、発注を検討している担当者がよく迷う3つの疑問に答えます。
Q. 相場より安い見積もりは避けたほうがよいですか?
安いという理由だけで避ける必要はありません。含まれる工程が少なければ、相場より安くなるのは自然です。
まず、構成・編集・入稿のどこまでが含まれ、何が別料金かを確認してください。社内で担える工程が多い企業なら、執筆だけを安く頼む選び方も成り立ちます。
Q. AIを使う外注先は料金が安いのですか?
AIの利用だけで料金が決まるわけではありません。下書きの作成が早くなっても、出典の確認、商材情報との照合、編集は人の作業として残ります。
料金を比べる際は、AIを使うかどうかより、事実確認と編集をどこまで行うかを確認しましょう。
Q. 最初は1本だけ依頼してもよいですか?
外注先が受けてくれるなら、1本で進め方を確かめるのは有効な方法です。構成の確認、修正のやり取り、納品の形式を実際に経験すると、継続発注する場合の社内の作業量も見えてきます。
最低発注本数を設けている外注先もあるため、見積もり依頼の段階で確認してください。
まとめ|料金は工程と社内に残る作業で比べよう

記事制作の料金相場は、依頼先と工程によって1本数千円から10万円まで幅があります。見積もりごとに含まれる工程、テーマの専門性、料金体系が違うため、1本あたりの金額だけでは比べられません。
まずは手元の見積もりを、企画・構成、調査・確認、執筆・編集、図表・入稿の工程で横並びにし、この記事の相場の表と照らし合わせてみてください。そのうえで、社内に残る作業と契約条件を確認すると、総額の差を説明できるようになります。



