記事が増えるたびに関連記事を追加しているものの、「このリンクは本当に必要なのか」と迷っていませんか。サービスページへの案内を増やしたい一方で、宣伝ばかりの記事にはしたくない、という悩みもあるでしょう。
内部リンクは、読者がその場所で次に知りたいことから設計すると判断しやすくなります。同じキーワードを含むページを機械的につなぐだけでは、読み手の疑問に合うとは限りません。
この記事では、BtoB企業のオウンドメディアを想定し、内部リンクの設計手順、採用・不採用の判断例、公開後の確認方法を整理します。自社の記事一覧に書き込める設計表も用意しました。
内部リンク設計で整理したい2つの役割

内部リンクとは、同じWebサイト内のページ同士をつなぐリンクです。記事本文のリンクに加え、メニューやパンくずリスト、関連記事欄なども含まれます。設計するときは、次の役割を分けて考えましょう。
- 読者を次の疑問の答えへ案内する
- 検索エンジンにページの関係を伝える
読者を次の疑問の答えへ案内する
記事を読んだ人が、もう少し詳しい情報や具体的な進め方を必要とする場所にリンクを置きます。
たとえば、リライト対象を選んだ読者には「記事のどこを直すか」「社内と外注先でどう分担するか」という疑問が生まれます。その疑問に答える記事なら、続けて読む理由があります。一方、同じSEOカテゴリでも、今の判断に関係しない用語解説を並べる必要はありません。
関連記事とサービスページでは、案内する目的も異なります。自分で進めるための情報が必要なら関連記事、支援を依頼する範囲を知りたいならサービス紹介へつなぎます。リンク先を選ぶ前に、読者に何を持ち帰ってほしいかを決めるのが出発点です。
検索エンジンにページの関係を伝える
Googleは、リンクを新しいページの発見やページの関連性の理解に利用すると説明しています。重要なページには、サイト内の少なくとも別の1ページからリンクすることも推奨しています。
そのため、新記事を公開するときは、一覧への追加だけでなく、既存記事から自然に案内できる場所がないか確認しましょう。ただし、リンクを増やせば順位が上がる、必ずインデックスされるという意味ではありません。リンク先自体の内容も見直す必要があります。
参考:Googleのリンクに関するベストプラクティス | Google 検索セントラル
内部リンクを設計する4ステップ

最初からサイト全体を完成させようとせず、改善したい記事と、その読者に関係するページから整理します。各ページの役割が見えると、追加すべきリンクだけでなく、置かなくてよいリンクも判断できます。
- ページごとの役割を一覧にする
- 読者の次の疑問からリンク先を選ぶ
- 内容が伝わるリンク文と設置位置を決める
- 公開後にリンク先と表示を確認する
ページごとの役割を一覧にする
記事のURLとタイトルだけでは、似たテーマのページを区別しにくくなります。「誰の、どんな疑問に答えるページか」を一文で書き足しましょう。
記録する項目 | 記入例 |
|---|---|
リンク元の記事 | リライト対象の選び方 |
想定読者 | 既存記事を改善したいマーケティング担当者 |
このページで答える疑問 | どの記事から直すべきか |
次に生まれる疑問 | 修正した原稿の品質をどう確認するか |
リンク先の候補 | SEO記事の品質チェック |
設置する場所 | 選定後の編集・確認を説明した段落の後 |
採用理由 | 選定後の実作業に必要な判断材料を補える |
これは設計用の記入例です。実際にリンクを追加するときは、リンク元とリンク先の本文を読んでから確定します。
読者の次の疑問からリンク先を選ぶ
リンク先は、次の3点が揃うかで絞ります。
- 現在の段落を読んだ人が知りたい内容か
- リンク先に、その疑問への答えが実際にあるか
- リンク先を読むと、判断や作業を先へ進められるか
「SEO」という語が共通していても、記事の目的が違えば候補から外します。反対に、タイトルの言葉が完全に一致しなくても、本文の疑問を補えるなら検討できます。
リンク先の記事がない場合は、無理に近そうなページを選ばず、必要な情報をその場で短く説明します。詳しい解説が必要なら、今後の記事候補として記録する方法もあります。
内容が伝わるリンク文と設置位置を決める
リンクになっている文字を「アンカーテキスト」と呼びます。「こちら」だけよりも、リンク先で何がわかるかを示す表現のほうが内容を判断しやすくなります。
たとえば「詳しくはこちら」ではなく、「SEO記事の品質チェック項目」と書き、その前に「修正後の確認基準を揃えたい場合は」と理由を添える形です。検索キーワードを不自然に詰め込まず、文として読めることを優先してください。
設置位置は、リンク先の情報が必要になる説明の近くにします。リンクを置くためだけの段落や、関連が弱い記事の羅列は避けましょう。Googleも、説明的で簡潔なリンク文と、その前後の文脈を重視するよう案内しています。
公開後にリンク先と表示を確認する
CMSに保存できても、リンクが意図したページへ移動するとは限りません。公開ページでクリックし、次を確認します。
- 正しいURLに移動し、記事が公開されている
- ログイン画面や編集画面へ移動しない
- リンク文が移動先の内容と一致している
- スマートフォンでもリンクを見つけて押せる
- 新しく公開した重要なページに、サイト内から到達できる
技術面では、Googleがたどれるリンクとして、原則としてURLを指定した通常のHTMLリンクを使います。ボタンの見た目だけで判断せず、必要なら制作担当者に確認しましょう。
採用・不採用を決める内部リンクの判断例

ここでは、SEO支援サイトの記事を使った設計例を示します。すべての関連記事を貼るのではなく、リンク元で扱う疑問と、リンク先が足す情報を対応させます。
リンクを検討する場面 | 候補 | 判断と理由 |
|---|---|---|
リライト対象が決まり、修正後の確認方法を説明する | 記事の品質チェック | 採用候補。編集・納品確認の手順を補える |
記事の編集を外部へ任せるか検討する | SEO外注の判断基準 | 採用候補。内製・部分外注の選択を補える |
関連記事の候補を探す手間を説明する | 内部リンク候補ツール | 採用候補。実際の候補抽出へ進める |
誤字を確認する方法を説明する | SEO外注の費用相場 | 原則見送り。その場の疑問が費用比較ではない |
読者が必要な情報を読み終え、支援範囲を知りたい | サービス紹介・問い合わせ | 採用候補。何を相談できるか説明して案内する |

大切なのは、表の結論をどの記事にも当てはめないことです。同じリンク先でも、置く段落が変われば必要性は変わります。「SEO外注の費用相場」も、予算を確認する段落なら自然な候補になります。
なお、内部リンクの改善と一緒に本文も直す場合は、先に対象記事を絞ると作業を整理できます。対象を選ぶ基準は、リライトする記事の選び方で解説しています。
内部リンクの確認に使う3つの手段

データやツールは候補を見つける助けになりますが、リンクの必要性は本文を読まなければ判断できません。次の手段を使い分けます。
- Search Consoleでリンク状況を把握する
- 候補抽出ツールで見落としを探す
- 公開ページを読んで採否を決める
Search Consoleでリンク状況を把握する
Google Search Consoleの「リンク」レポートでは、内部リンクを受けているページを確認できます。重要なのに入口が少なそうなページや、想定以上にリンクが集まっているページを見直す手がかりになります。
ただし、このレポートはサイト内の全リンクを網羅する一覧ではありません。最新の公開状態とも差がありうるため、「表示されないからリンクが存在しない」とは判断せず、実際のページやクロール結果と照合します。
参考:リンクレポート | Google Search Console ヘルプ
候補抽出ツールで見落としを探す
Shiroworks(シロワークス)の内部リンク候補ファインダーは、記事URLを入力し、同じサイト内から見出しに関連するリンク候補を探すためのツールです。公開画面では、読む記事数の設定や、候補に添える誘導文の下書きを確認できます。
まず公開記事のURLを入力して候補を取得し、リンク先の内容を読み、採用する候補だけを選びます。非公開の記事やログインが必要なページの内容を取得できる前提では使わないでください。
候補や誘導文は、そのまま掲載する完成稿ではありません。自社の記事を十分に取得できない場合もあるため、候補が出ないことだけで「リンクできる記事がない」と結論づけず、記事一覧も確認しましょう。
公開ページを読んで採否を決める
最終確認では、リンク元の段落からリンク先まで続けて読んでみます。「なぜ今このページへ進むのか」が説明できなければ、候補を外すか設置位置を変えます。
設計表には採否だけでなく、判断理由と確認日も残してください。記事が更新されたときに、以前の判断を見直しやすくなります。
内部リンクの改善後に見る3つの指標

リンクの設置本数だけでは、改善が役立ったかはわかりません。読者の移動、移動先での行動、検索での変化を分けて確認します。
- 設置したリンクが使われているか
- 次のページで必要な行動につながったか
- 検索流入がどう変わったか
設置したリンクが使われているか
内部リンクのクリックを知りたい場合は、そのクリックを識別できる計測が必要です。GA4の拡張計測にある標準の離脱クリックは、原則として別のWebサイトへ移動するリンクが対象です。これだけでサイト内リンクも計測できているとは考えないでください。
たとえば、リンク元の記事・リンク先・設置位置を識別するイベントを設計します。イベント数は同じ人の複数クリックを含みうるため、人数として扱う場合は指標の定義を揃えましょう。
参考:拡張計測機能イベント | Google アナリティクス ヘルプ
次のページで必要な行動につながったか
関連記事なら必要な情報が読まれたか、サービスページなら支援内容の確認や問い合わせへ進んだかを見ます。すべてのリンクを問い合わせ数だけで評価する必要はありません。
一方、クリックが増えても、相談の内容が自社の支援範囲と合わなければ導線の再検討が必要です。記事から問い合わせまでの見方は、オウンドメディアの問い合わせ改善でも整理しています。
検索流入がどう変わったか
リンク元・リンク先の表示回数、クリック数、検索語などを、変更前後で確認します。変更日を記録し、同時期の本文修正や季節変動もメモしておきましょう。
順位が変わっても、内部リンクだけが原因とは限りません。観測期間や表示回数が少ない場合は結論を急がず、狙った読者に届く検索語が増えたかも併せて判断します。
内部リンク設計でよくある3つの質問

本数や貼り方を固定したくなる場面もありますが、本文との関係が先です。よくある疑問を整理します。
- 最適な本数は決まっているか
- 必ず相互リンクにする必要があるか
- 記事数が少ない段階でも設計するべきか
Q. 内部リンクは1記事に何本が適切ですか?
一律の最適本数はありません。Googleも理想的なリンク数を固定していません。読者に必要なリンクを選び、似たリンクの連続や本文を読む妨げになっていないかで見直してください。社内で上限を設ける場合も、編集上の目安として扱います。
Q. リンクを貼ったら、リンク先からも戻すべきですか?
必須ではありません。どちらの記事の読者にも相手の記事が役立つなら、双方向に案内できます。戻り先が不要な説明まで増やして相互リンクを作る必要はありません。
Q. 記事数が少なくても内部リンクを設計しますか?
はい。少ない段階なら、記事の役割とサービスページへのつながりを整理しやすくなります。ただし、関連記事がなければ無理に増やさず、新しい記事を公開した時点で既存記事からの導線も見直しましょう。
まとめ|読者の次の疑問からリンクを選ぼう

内部リンクの設計は、ページの役割を整理し、読者の次の疑問に答えるページを選び、自然な位置で案内する作業です。ツールの候補は本文を読んで判断し、公開後にはリンク先と読者の行動を確認します。
まずは改善したい記事を選び、「この記事で解決する疑問」「次に必要な情報」「案内するページ」を書き出してみてください。関連が弱い候補を貼らない判断も、記事の読みやすさを保つために役立ちます。



